正社員の良さがわからなくなった

接客販売業から一般事務への転職を考えていました。正社員で探していたのですが、なかなか採用とは行かず、事務仕事に慣れるためにもまずは、派遣で働こうと決めました。小さな機械部品製造業の会社で、営業の男性社員が10名ほど、営業事務の女性が7名ほどでした。女性の中にはバイトで働いている方が5名、正社員が2名でした。

私は派遣で、女性のバイト事務員と同じ仕事をすることになりました。通常、営業は朝の朝礼が終わると、会社の外へ行き、女性のみが会社に残ることになります。女性は営業の取ってきた仕事をその下の機械加工会社へ発注したり、かかってきた電話対応をしたり、部品図面をパソコン資料から探したりしていました。

バイトの人は、朝10時から夕方3時までの勤務です。派遣の私は、朝9時出勤で夕方5時までの勤務で、朝礼にも参加します。男性の社員が帰社するのは、夜になってからが多く、朝にちらりと見るだけで、接点はあまりありませんでした。そんな中、女性社員の2人は、バイトと男性社員の間に挟まれ、テキパキと仕事をこなしていました。バイトが残した仕事も引き受け、男性に言われたことも2名で協力して毎日、大変そうでした。

中でも、大変なのは社長がワンマン経営で、急に何かを思いついた時です。その日、当日の朝礼で、月の売上が足りないからと、急に全員残れるだけ残って仕事をこなそうと話を始めた時です。前からの予兆があったのか、社員の人は「えー!」とびっくりしながらも従わなくてはいけないと諦めムードでした。発破を掛けるつもりなのか、社長は社員にも残業代として、今、時給を現金で2000円払うと言いだしました。お金は欲しいでしょうけれど、何か嫌な雰囲気が漂いました。しかし、文句をいいながらも社員は大きな声で愚痴は言えません。私も1時間だけ追加で働くことにしました。

しかし、怒ったのはバイトの人たちです。売上が足りないからと、その日に残業を言い渡され残れるだけ残れという話ですから、怒って当然です。予定もあるし、小さな子供の保育園のお迎えに行かなければならない人もいました。そんな時に、社長は出てこず、社員の女性二人がなんとか説得して、残業をしてもらえるように話をしていましたが、やはり、無理なようで全員、帰ってしまいました。雇用形態は、バイトでも派遣でも残業しなければならないと決められていなかったはずです。契約でも時間帯分はきちんと働いていましたし、この場合は断っても悪くありません。しかし、夕方6時になって社長が帰社すると、「残っているメンバーが少ない、やる気はあるのか!」と女性二人に激を飛ばしていました。「急に言われてもそれぞれ事情があるので困ります、無理ですというのは当たり前ですよ」と反論されていましたが、社長は聞き耳を持ちませんでした。

次の日になってバイトの人の数名がなんとか時間の都合をつけてきたと、残業を1時間増やすと言う人が出てきました。社員の女性は、とても喜んでくれ感謝していました。私も残り、「本当にごめんね」と言ってくれました。しかし、バイトに対して社長からの説明はなく、感謝もなく、その月の売上がなんとか達成されると、バイトの人達は1人辞め、2人、辞めと減っていきました。

バイトの人も急な残業は、困ると断っていましたがそれを無理に言われたような気がして今後のことも不安になったのでしょう。私は、女性社員の2人とは仲良くしていますが、社長のやり方に不満もあります。思いつきで、急に行動されても仕事を1番に持ってくるのが無理なこともあるのです。その後、2年半、働きましたがバイトも社員も長続きする人はいませんでした。始め、正社員で求人を探していた私ですが、正社員の良さってなんだろうと疑問を持つようになり、今は別の場所で派遣として働いています。

女性同士でしたが、バイトも社員も私も仲が良く昼間は、スムーズな関係が保たれていました。が、女性社員の2人のフォローがあったお陰かもしれません。